耳が東京~明日は敬老の日

19日は敬老の日ですね。

テレビでは連日のように、エリザベス女王が亡くなられた話題が放送されています。96歳だったそうで。生涯現役でいらっしゃいましたね。

私の父親は85歳で亡くなりました。70代後半からだんだん活動範囲が狭くなり、晩年はほとんどベッドでの生活でした。

そばで家族が会話していても、ほとんど反応なし。

「ニュース見て!交通事故だって。怖いね」「・・・」

「えー!今日、昼から雨なんだって」「・・・」

耳遠くなってるな。。

「母さん、そう言えば次の年金っていつだっけ?」

「来月の15日さー!」「!?」

突然の父親の発言。なんだよ、聞こえてるじゃないか‥正解だし。

どうやら、自分が関心があること(お金とか、お金とか)については鼓膜が反応するようだ。

別の日。その日は役所の人が父親の介護認定状況について判断すべく、実態を見に調査にやってくることになっていた。

「父さん、今日、市役所の人が来て話をするんだって」「・・・」

相変わらず反応がない。いや、きっと聞こえてないんじゃなくて、関心がないのだ。

「こんにちはー、市役所の者です。お父さん、お元気ですかー?」

役場の女性が話しかける。

「はい💛元気ですよ」「!?」

「ご飯食べてますか?」

「はい💛たくさん食べてますよ!」

なんじゃ、この豹変ぶりは。。「ソトヅラがいい」とは、正にこのこと。

ウチの父親は、ボケてるんじゃなくて、考えることがだんだん面倒になっていたんだと思いました。ただ、無防備の時に他人が急に話しかけてきた時とか、強い刺激や緊張感が入ると、錆びた機械が動き出すように、脳が再び活性化されてたのかなぁっと。

老化のメカニズムについて研究している学者がいたら、是非ウチの父親を観察対象に入れて欲しかったですね。

あの時、私と一緒になって父に呆れかえっていた母親。

その母親も、だんだんと当時の父親に似つつあります。

今日は母親を連れて食事に行こうと思いましたが、風が強いので延期することにしました。

「台風で風が強いから、レストランは今度にしようね」

「・・・」

「台風だから、ステーキは、つぎね!」

「ステーキ!?」

どこに反応してるんだか。。

「たーいーふーだからぁ、きょうはぁ、ステーキ、いかない!」

「・・あー、そうねー、はい」

「私は耳が東京だから、大きい声で言わないと分からんさー」

耳が東京って・・(笑)

ってか、「ステーキ」は、普通の声でも聞こえたじゃないか。

まぁそれでも、お出かけ好きだし、肉は食べるし、ブラックユーモア言えるし、健在です。

一緒にご飯食べて、美味しいと言い合える日は、あとどれくらいかな。

「私は時間がないから、早く連れて行ってよー!」

はいはい、分かってます。

でも、このセリフ、もう何年聞いているかな。。


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