従兄弟のSが危篤というメッセージを彼の奥さんからもらい、急いで病院へ行った。
ベッドに横たわるSは、私が見てもはっきり分かるほど全身に黄疸が出ていて、意識は失いかけたり取り戻したりを繰り返していた。
・・やっぱりお酒かぁ。
Sは私と同い年。
盆と正月と冠婚葬祭に会うくらいだったけど、いるのが当たり前という感覚だった。
最後の時間を迎えているSを目の前にして、自分は不思議なほど俯瞰していた。
Sは、会う時はいつも何か憂いていた。
ルックスもいいし経済的にも問題ないし、仕事も家庭も恵まれているはずだったのに。
お酒で何かを紛らわせているようだった。
聞くと、最近はその量もかなり増えていたらしい。
お酒をやめようといろいろやってはみたようだったけど。
そうこうしているうちに身体が持ちこたえられなくなってしまった。
まだ年金ももらっていないのに。
ここで人生の持ち時間、使い切っちゃう?もったいなくない?
つないでいる血圧計の数字がSの残り時間のように見えた。
何をするわけでもなく、Sの手を握ったりしてしばらくボーっとSを見ていた。
突然、虚ろな目に生気が戻って、私と目が合った。
それはいつも知っているSの目だった。
うなり声にしかならなかったけど、確かに私を認識してくれたようだった。
S、どうだった?Sの人生。
結局、ずっとお酒選んじゃったけど、総括できる?
心の中で聞いてみた。
Sは荒い呼吸でまた目を閉じた。
二日後、Sが亡くなったと連絡があった。
60年かぁ。
生きたいように生きることができた人生だったと思いたい。
初年の旧盆(ニーボン)は家族だけで過ごすんだっけ・・。
それじゃに正月にまた会おう。
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