「先生、『せっかく』ってどういう意味ですか?」初めて持った文法の対面授業で学生から質問された。
やべっ、調べてない(汗)
「『苦労してやっと』とか、『特別ないいこと』などという意味だよ。例えば、『せっかくケーキを作ったのに落としてしまった』とか、『せっかく今日はバイト休みなのにお腹が痛くて遊びに行けない』とか」不意打ちを食らった感じで焦ったが、何とかしのいだ。
他にもいくつか例文を出して説明したが、学生は何となく分かったような、分かってないような感じ(ネガティブな用法の説明ばかりしたけど、後でよく考えたら、「せっかくだから」とかポジティブの使い方もあったなぁ…)。
「先生、今日のテキストはもうここで終わり?じゃ、今日は早く終わろう」学生が言った。
「え、まだ10分あるよ」
「家でJLPTの勉強するから。お願い」
「ん~、じゃあ、これ(別に予備で準備していたテキスト)家で勉強するなら、今日は特別にこれで終わりにするよ」
「やった!」
学生におされて授業を終わると、外は突然の土砂降り。
「え~、傘もってない!」
「『せっかく授業が早く終わったのに、雨が降って帰れない』。せっかくの使い方、分かった?」
学生は憮然とした様子だった。
0コメント