オンライン授業に使うヘッドセットを買ってきたのだが、間違ってイヤホン端子(出力)とマイク端子(入力)の2つがついているもの(2ピン)を買ってしまった。パソコンを見ると、入出力共通の端子(1ピン)しかないのだ。
さっき買ったばかりだから、もしかしたら取り替えてくれるかな…と淡い期待を抱きつつ、カメラ屋さんのような名前の電気屋に向かう。
「あのう、これ、さっき買ったばかりのヘッドセットなんですけど、間違ったタイプのもの買っちゃって。返品して買い直しできますか?」
「あ・・。確認しますのでちょっとお待ちいただけますか」店員さんはそう言って奥に引っ込んだ。しばらくして戻ってくる。
「あの・・大変申し訳ございません。このご時世なので、一度お客様が触れられたとなると、返品ができなくなりまして・・」
ダメかぁ~、ガッカリ。たぶん奥で上司に相談して、『こんなの返品できないに決まってるだろ。断ってこい』とか言われたんだろうな。とてもバツの悪い表情をしている。
「ただ、この2つのピンを1つにまとめる変換プラグがあれば使えますので、ちょっと探してきます」そう言って店員さんはまた奥に消えて行った。
まぁ、確認しなかった自分のミスだから、返品ダメなら正しいものをもう1つ買うつもりだったけど・・と思いつつ、込み合ってきた売り場で店員さんを待った。
「大変お待たせしました。この変換プラグをつけますと、この2ピンのヘッドセットでもご使用できますが、実は変換プラグの方がヘッドセットより高くなりまして・・」
「(笑)じゃあ、新しいものをもう1つ買いますよ。新しいものも変換プラグより安いんですよね?」
「あ、はい、そうなんですが・・」
私がもう1つ買うと言っているのだから、彼もストレスから解放されるはずだ。だけど、店員さんはまだどことなく浮かない顔をしている。
私に余計な出費をさせてしまうということに加えて、ひとつの商品が1度も使われることのないまま捨てられるかもしれないことに対する背徳心を彼が感じているようにも思えた。
「大変申し訳ございませんでした。せめて端数だけでも値下げさせていただきますので」
結局私は2度買いをして出費も増えてしまったが、そんなモヤモヤは、最後まで私のために頑張ってくれた店員さんの対応で帳消しになった。
断られることによって、もしかしたら嫌な気分になったかもしれない展開も、気持ちのこもった対応ひとつで、良い方向に変わるもんなんだなと実感した。
また今度あの電気屋で買い物しよう。
さて、最初に買ったヘッドセットはどうしようか・・・フリマサイトにでも出してみようかな。
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